Huluドラマ『時計館の殺人』(2026)第4話完全ネタバレ考察レビュー

Huluドラマ時計館の殺人(2026)の第04話ネタバレ感想 館シリーズドラマ化第二弾!ネタバレ考察毎日感想

特別企画:毎日更新
連続ドラマレビュー

前話レビューはコチラ

Huluドラマ『時計館の殺人』(2026)第3話完全ネタバレ考察レビュー

――なるべく曖昧な言葉で、なるべく沢山の解釈ができるような表現をする、占いのメカニズムなんて、基本はそんなもんさ。

by 鹿谷門実(演:青木崇高)

作品データ

原題:Huluオリジナル 時計館の殺人:第04話

監督:山本大輔

脚本:戸田山雅司

早野円

藤井香織

内片輝

原作:綾辻行人『時計館の殺人』

音楽:富貴晴美

主題歌:ずっと真夜中でいいのに。

「よもすがら」

製作:日本テレビ

配信:Hulu

出演者:

江南孝明:奥智哉

島田潔(鹿谷門実):青木崇高

福西涼太:鈴木福

瓜生民佐男:岡部ひろき

樫早紀子:吉田伶香

河原崎潤一:渡辺優哉

新見こずえ:阿部凜

渡辺涼介:藤本洸大

小早川茂郎:山中崇

内海篤志:今野浩喜

光明寺美琴:向里祐香

古峨倫典:伊武雅刀

古峨永遠:真木ことか

古峨由季弥:志水透哉

伊波紗代子:神野三鈴

田所嘉明:矢島健一

野之宮泰斉:六平直政

馬渕長平:角野卓造

島田修:池田鉄洋

中村青司:仲村トオル

喫茶店のマスター:嶋田久作

本レビューは第04話の完全ネタバレレビューとなります

筆者は原作既読済み、配信全6話視聴済みですが、出来る限り04話時点のネタバレで語ります。

Huluドラマ『十角館の殺人』(2024),

および原作小説、コミカライズ等についても言及有。

総文字数:4198文字

読み終わるまでの時間:約11分

目次

原作下巻の始まり:事件の核心へと迫る

映像化箇所:原作【第10章〜第11章前半】

原作下巻に入り、旧館での事件はいよいよ生存者が減ってくる。一方の新館もまた、鹿谷と福西が館の外での調査を始めたりと物語は大きく動き出した。

以下、感想を述べていく。

第一部後半戦は山本大輔監督が担当/優秀な館シリーズドラマスタッフ

ここから第一部最終第6話まで、監督が内片監督から山本大輔監督に移る。今作は二部合わせて全8話と前作より長尺なため、共同監督という形で担当話を分割したのだろう。第一部後半、旧館のエピソードは動きの多いシークエンスが増えてくることもあり、ドラマ『減量ボクサー』(2009)や『ハヤブサ消防団』(2023)などでもエピソード監督を務めた山本監督の起用も納得である。

勿論基本的な指揮と全体の統制は内片監督が執っていると思われるので、ドラマ全体の空気感はきちんと保たれている。

今作では第1話から時計の音がやたらと耳障りに鳴り続けているのだが、その他にも音響面でかなりの工夫が見られる。

今回鹿谷と福西が案内される納骨堂での音の反響もその一つで、前話の時計塔の吹き抜けで鹿谷が手を叩いた際の響き方もそうだが、全体的に空間の大きさを観ている側に側に体感させるような音作りがされている。

映画ではそういった音響にこだわった作品は多いが、配信限定のドラマ作品でこうしたこだわりが見られることは稀だろう。それにより、旧館の時計に囲まれた圧迫感との対比も出ており、物語への没入具合がかなり変わってくる。

美術・音響含め、ドラマチームの丁寧な作劇で今作は成り立っている。

抵抗虚しく犠牲になる被害者たちと謎の怪人

ほとんど無抵抗のうちに殺害された樫と渡辺と違い、今回の犠牲者である内海と河原崎に関しては、既に“殺人鬼がいる”前提で邸内にいるため犯人への抵抗が見られる。

ただし、それにしたって彼らはこの“中村青司の造り上げた”館の秘密など知るわけがないので、閉め切った室内で突然襲われる恐怖を体験することになる。

内海に関しては前回所謂“死亡フラグ”を立てて部屋に閉じ籠り、酒浸りになりつつも何かに気づいたところで部屋に侵入した犯人に撲殺されてしまう。

この、自らが仕掛けたバリケードによって部屋から出ることが叶わない、という最期があまりにもリアルで、自業自得と片付けるには痛ましい。しかも、この時瓜生と江南は内海の声で現場まで走り、室内にいる犯人の姿まで見ているので、もし仮にバリケードがなければここで事件は終わっていた可能性すらある。殴られた後の内海の足が大きく跳ね上がるのもまた映像的な残酷さとリアリティが増していて、仮面の殺人犯の恐怖が伝わってくる。

結果として、内海のバリケードを破るのに時間が掛かったことで犯人に逃亡の隙を与え、更には河原崎の犠牲まで出してしまったので内海はフラグを立てただけでなく戦犯にもなってしまった。

ミステリーやホラーで、「一人なら安全」と言い張る者で本当に安全だった人間は古今東西ほぼ見たことがない。超常現象を扱う雑誌に写真を卸すカメラマンなら、そのくらいは知っておくべきだったのかも知れない。

一方、河原崎もまた今回犠牲になってしまうが、彼の場合は前回瓜生によって「(動機について)知らないのも無理はない」とも言われており、自分が殺される理由については最期まで何も思い至らないままであった。

永遠のことは記憶の隙間から当時のことを思い出しそうになりつつも、それが何故この殺人に繋がるのか、恐らくそこには何も思い至らなかったに違いない。だがその分、河原崎は最後まで犯人に抵抗し、その仮面を剥いで正体も見ている。

当然これも死亡フラグなわけで、彼は撲殺ではなく首に時計の針を突き刺されるという形で殺害されてしまうが、ここでももし仮に内海のバリケードがなく江南たちがもっと早く移動していたら彼は死なずに済み、犯人の正体もここで明らかになったかも知れない。

今作の被害者たちはそういった意味でも、「後少しで……」という思いに観ている側がなりやすいキャラクターが多い。

館のからくり仕掛けの視覚効果は最高だが見せるの早すぎ?

また、今回の犯行は中村青司の館におけるからくりがかなり重要な要素になってくるのだが、その視覚効果的な演出は映像的な面白さに加え、その生き物の躍動のような画は生理的な嫌悪を感じさせ、今作のホラー感をより高めてくれた。その後ろから白い仮面の犯人が音も無く現れるのには背筋がゾッとするような感覚を覚え、前作とはまた違った、今作独特の“館ホラー感”を味わわせてくれる。

原作の館シリーズは中村青司の館を軸に、作品ごとに様々なジャンルを横断していくのも魅力の一つである。前作の正統派ミステリーとは違ったアプローチに、今後他の作品のドラマ化への期待も高まってくる。

そういった意味で言うと、今回はある場面の演出で原作ファンなら思わずニヤリとしてしまうシーンがある。これはシリーズ他作品のネタバレも含むため詳しくは言えないのだが、原作を全巻読んでいる読者なら共感頂けるはずだ。

あんな思わせぶりな演出をしたのだから、『××館の殺人』は絶対にドラマ化してもらいたいものですよ、内片監督、Huluさん?笑

ただ、原作としては『時計館の殺人』は既に5作目であり、中村青司の屋敷のからくりについては全読者にとって周知の事実となっているが、ドラマシリーズはあくまで今作で2作目である。それを考えると、第3話終わり〜第4話でアレを映像として出してしまうのは早すぎたかも知れないとも思う。

描写としてはあくまで原作通りではあるのだが、ここは謎解きの段までもう少しボカして、犯人の動線を隠しても良かったのではないだろうか。

(一応、本記事ではハッキリ言葉としてそれが現れる第6話まではボカさせてもらうことにする)

ドラマ版鹿谷門実(島田潔)のキャラクターが完成した

新館側では館の外に調査範囲を広げ、古峨倫典の友人であった馬渕長平に話を聞きに行く。しかし、馬渕もまた第1,2話の野之宮泰斉と同じく痴呆症が進行しており、まともな会話にはほとんどならないのである。

……が、彼らはそうした状態であるからこそ、逆説的に“見たものを見たままに語っている”とも言えるわけで、これが事件解決にあたり重大なヒントにもなっているので、抑えておきたいポイントだ。

旧館で瓜生が記憶を辿る中、福西も10年前の落とし穴について鹿谷に告白し、いよいよ旧館側の事件と新館側の事件にも明確な繋がりが見えてくる。

鹿谷はまさか殺人事件は起こるまいという軽い対応で福西を宥めているが、既に福西の友人二人に後輩一人、ついでに知らないカメラマンのおじさんも(←)旧館では犠牲になっている。福西の不安は的中しているが、例えばこの時点で旧館に無理やり入ろうというまでにはならない。

仮に入ったところでもう大分手遅れではあるのだが……。

相変わらず福西は探偵助手としてはあまり役に立たず、調査にもそこまで乗り気でもないため、場面的には鹿谷が一方的に喋るだけになる。が、福西に対しての対応はどこかカウンセラー的でもあり、過去の落とし穴について自然と喋れる雰囲気を作っているあたりはさすが寺の息子といったところではあるだろう。

第2話レビューでドラマ化にあたって原作の雑学知識などはオミットされていると書いたが、今回の鹿谷の“説教”についてはむしろ原作に記述のないドラマオリジナルの台詞である。パフェを食べる際の「君も食べるかい?……良かったチェリーは食べたいんだ」など、鹿谷のキャラクターは完全にドラマオリジナルの鹿谷像として確立しつつある。

綾辻行人納得の忠実な映像化と付け足された人間味

今回も人間的リアリティの描写はきちんと守られていて、例えば内海の死を伝えに新見の部屋に行った際、原作での瓜生は新見の拒絶に対して「処置なしですね」と呆れ顔だが、今作においてはその拒絶に愕然とし、半ば強引に扉を叩くなど、そのショックを隠し切れていない。

仲間を2人喪い、状況が刻一刻と悪くなる中、殺人の動機にさえ思い至りつつある瓜生は徐々に余裕がなくなりつつある。

だからこそ、ラストに河原崎の遺体を発見した際の瓜生の慟哭は、原作以上に悲痛な叫びになる。瓜生は既に、河原崎には殺される理由がないことを知っている。だからこそ、長年の友人の無惨なその遺体に耐えられない。

今回、内海の死に対しては瓜生がさほど動じていなかったり、前回の樫と渡辺が死んだ後の江南の仮面の件なども含め、それぞれの関係性がそのまま各被害者の遺体への反応に対応しているのはリアルな描写だと思う。

付き合いの薄い人間の死を、そこまで悼める人間というのはそういないだろう。目の前で殺人事件が起こるという非現実的な状況の中では特にそうだ。

だからこそ、こうした差異がつくことが彼らの人間味をより増していると思うし、こうした細やかな演出が、回を増すごとに物語に厚みを与えている。

鹿谷たちが訪れた喫茶店のマスターにしても、本筋とはほとんど関係のないシークエンスではあるが配役に嶋田久作という名優をキャスティングしており、サービスで出されるチョコパフェを食べる鹿谷という原作の要素をきちんと拾っているのも今作、今シリーズの誠実さの証左だろう。(多少原作とはシチュエーションが変わっているが)

この喫茶店の看板や店内に置かれた小型TVの造形も昭和の雰囲気が出ていて最高だ。

現在Huluで公開されている原作者綾辻行人とアナウンサーの水卜麻美の対談にて、綾辻氏をして「本当に原作通りに作ってくれて」と言わしめるのは、こうした小さな要素もきちんと映像化しているからだ。無理に2時間の映画などにまとめようとすると省かざるを得ない要素を、話数や尺感も自由が効く配信ドラマという盤上で出来る限り忠実に再現している。

原作既読者勢による次回へのヒントと期待

今回も事件解決に向けていくつものヒントが隠されている。

前話のラスト、そして河原崎の死に様と、鹿谷の言う“中村青司のからくり趣味”と合わせて、第2話での野之宮泰斉の台詞をよく思い出してみて欲しい。

また、第1話でのヒントの【音とヴィジュアル】の答えに近いものが今回はかなり出ている。

少年時代の福西と瓜生が見た

【葬式シーンの違和感】にそれは関連してくるので、もう一度よく観直してみて欲しい。

また、喫茶店のマスターが言う“気まぐれ時計”や館の日時計が「さほど正確でない」というのも抑えておくと良いだろう。

“あの”中村青司がそんな時計を館に作るだろうか?

さぁ、物語はいよいよ後半戦である。

旧館から抜け出せるのは誰か?そして犯人は誰か?既に推理の材料は揃っている。

次回へ続く。

Huluドラマ『時計館の殺人』(2026)第5話完全ネタバレ考察レビュー

容疑者リスト

江南孝明:奥智哉

瓜生民佐男:岡部ひろき

樫早紀子:吉田伶香

河原崎潤一:渡辺優哉

新見こずえ:阿部凜

渡辺涼介:藤本洸大

小早川茂郎:山中崇

内海篤志:今野浩喜

光明寺美琴(=寺井光江):向里祐香

古峨由季弥:志水透哉

伊波紗代子:神野三鈴

田所嘉明:矢島健一

野之宮泰斉:六平直政

島田潔(鹿谷門実):青木崇高

福西涼太:鈴木福

🏠 館シリーズ考察レビュー

時計館の殺人(2026)各話考察レビュー1

時計館の殺人(2026)各話考察レビュー2

時計館の殺人(2026)各話考察レビュー3

十角館の殺人(2024)総括レビュー

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次