Huluドラマ『時計館の殺人』(2026)第2話完全ネタバレ考察レビュー

Huluドラマ時計館の殺人(2026)の第02話ネタバレ感想 館シリーズドラマ化第二弾!ネタバレ考察毎日感想

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Huluドラマ『時計館の殺人』(2026)第1話完全ネタバレ考察レビュー

――沈黙の女神の……歌声が……きこえる……

by 古峨倫典(演:伊武雅刀)

作品データ

原題:Huluオリジナル 時計館の殺人:第02話

監督:内片輝

脚本:戸田山雅司

原作:綾辻行人『時計館の殺人』

音楽:富貴晴美

主題歌:ずっと真夜中でいいのに。

「よもすがら」

製作:日本テレビ

配信:Hulu

出演者:

江南孝明:奥智哉

島田潔(鹿谷門実):青木崇高

福西涼太:鈴木福

瓜生民佐男:岡部ひろき

樫早紀子:吉田伶香

河原崎潤一:渡辺優哉

新見こずえ:阿部凜

渡辺涼介:藤本洸大

小早川茂郎:山中崇

内海篤志:今野浩喜

光明寺美琴:向里祐香

古峨倫典:伊武雅刀

古峨由季弥:志水透哉

伊波紗代子:神野三鈴

田所嘉明:矢島健一

野之宮泰斉:六平直政

島田修:池田鉄洋

中村青司:仲村トオル

本レビューは第02話の完全ネタバレレビューとなります

筆者は原作既読済み、配信全6話視聴済みですが、出来る限り02話時点のネタバレで語ります。

Huluドラマ『十角館の殺人』(2024),

および原作小説、コミカライズ等についても言及有。

総文字数:4345文字

読み終わるまでの時間:約11分

目次

第2話のメイン軸は新館:鹿谷門実の物語

映像化箇所:原作【第5章後半〜第7章前半】

第2話は原作の章立てで言うと2章分で、5章半進んだ第1話と比べやや短くなっているが(第1話は尺も他より長い)、いよいよ殺人事件が始まり、2人の被害者が出てしまうことになる。

今作は章ごとに新館側にいる鹿谷(島田)と旧館にいる江南の視点でそれぞれ進んでいき、今回はどちらかと言うと新館側、鹿谷メインの回。

以下、感想を述べていく。

美術スタッフこだわりの中村青司の館と昭和ホラーミステリー感

前回既に美術造形については語ったが、引き続き時計館のセットは素晴らしい。前回は語らなかったが、時計館に繋がる門がやたらと背が高いところも、昔ながらの富裕層のお屋敷といった雰囲気がよく出ている。この門を入り口に“殺人事件”という異世界に入り込んでいく様子が、視覚的にわかりやすく表現されているのだ。

そんな異界故、古峨倫典が最期の時に遺した詩についても、昭和ミステリーではお定まりの“如何にも”な展開ではあるが物語の不気味なホラー感を増しており、占い師である野々宮は光明寺に引き続き胡散臭い。

しかし、昭和の頃の日本では財界の大物や大企業の社長が専属の占い師をつけていたという話は実際にあったされており、有名なところでは《産業経済新聞》の社長だった前田久吉に見出された藤田小女姫という占い師の女性がいたりもする。いつの時代にもオカルトや陰謀論は権力と相性が良いのだ。

今回劇中ではついに殺人事件が起こってしまうわけだが、その凶器となる時計もまた細かな装飾含めよく出来ている。《振り子の部屋》で行方不明になった光明寺を捜索するシークエンスでもこれらの壊れた時計は登場するが、当然それは屋敷内に置かれた本物の時計ではなく、撮影用の小道具として作られた“壊して良い”もののはずだ。そうした時計にもきちんと重みが感じられ、細かな部分まで作り込まれているので凶器としてのリアリティがある。前作での十角形の灰皿や食器などもそうだが、中村青司の不思議な館を再現するにあたり、細部まで手抜かりがない。

容赦ない殺人と遺体描写〜配信限定による“痛み”の表現

殺人シーンや遺体描写も前作に引き続き容赦がなく、配信限定のドラマの強みが存分に活かされている。樫も渡辺もその死に様は本当に“痛そう”で、思わず顔を背けたくなるほどだが、こうした観ている側に痛みを感じさせる描写も2026年の現在ではなかなか地上波放送のドラマでは観られなくなったものだ。

今作で最初の殺害シーンの被害者:樫早紀子を演じたのは吉田伶香。AmebaTVの恋愛リアリティショー『オオカミくんには騙されない』シーズン9にも登場し、『オカムロさん』(2022)や『翔んだタックル大旋風』(2025)などの映画では主演も務めた、若者を中心に注目を集める存在である。そんな吉田演じる樫が、事もあろうに顔面に時計を叩きつけられるという方法で殺害されるのだからファンでなくともビックリだ。

結果、顔半分に時計がめり込むというとんでもない遺体描写になり、またその凶器となった時計がなんとも重く尖っていて、想像するだけで痛い。

『十角館の殺人』も被害者たちは見事な死に様を見せつけてくれたが、今作もその点は本当に痛々しい。

しかし、そんな痛々しさがあるからこそ、物語には悲劇性と、そしてミステリーにおいて最も大切な“誰が死に誰が生き残るかわからない恐怖感”を、観ている側も疑似体験することができる。

こうした、痛みを真摯に描くというのも、表現としては大切なことではないかと思う。ミステリーや所謂《デスゲーム物》は、時に人の死に様に対して“大喜利的表現をしている”という感覚を持たれやすく、それを問題視する層も確かに存在する。しかし、そこにある痛みに恐怖を伴わせることが出来れば、それは表現として大きな意味を持つ。現在の地上波放送に規制が多いのは理解できるし、あくまで個人的な意見ではあるが、こうした痛みの表現は必ずしも犯罪や暴力を賛美するものではないと強く主張しておきたいものだ。

同じく渡辺もまず顔を殴られ、へし折られた鼻を抑えながら、這いずり回って逃げるところを執拗に殴られて次話への引きがある。

この、唸るような断末魔の声と、淡々と繰り替えされる滅多打ちの音をバックに真っ黒な画面とクレジットが映し出されるのが、何とも言い難い恐怖を観る側に与えるのだ。

本編の半分以上が飄々と時計館の過去の事件について調べる鹿谷側のシークエンスで占められているため、余計にそのギャップが際立つ。

……少しだけネタバレになるが、第一部の範囲内なのでこれだけは言わせて欲しい。

おい犯人、一体渡辺が何をしたって言うんだ……←

鹿谷×福西の新館コンビ〜原作小説から変わったもの新たに加わったもの

今回は鹿谷側の新館の物語がメインになるが、鹿谷のキャラクターは原作以上に主人公らしい性格設定がされ、登場する度その挙動に目がいく。第1話に引き続きやたらと高いところから紅茶を注ぐ姿や、暇さえあれば折り紙を折るところなどは、あくまで狂言回しであった原作から、きちんと歴代名探偵たちと同じような、ある種TV的な奇異な特徴づけがされていてキャラクターとしての魅力が増している。

折り紙趣味に関しては原作『水車館の殺人』から付与された設定であり、前作ではそんな素振りすら見せなかったのは原作通りとも言える。きちんと続編に繋がったことで製作側もシリーズを続けていく覚悟が出来たのか、前作でオミットされたいくつかの設定が改めてキャラクター描写として加わっているが、あまり説明がなくそれが現れるため原作読者へのサービスみたいになってしまっているのはご愛嬌と言ったところだろう。

新館のシークエンスには物語の伏線と思わしきシーンがいくつかあり、原作既読勢としてはきちんとそこに目がいくように演出されているのもミステリーとしてのフェアな精神を感じる。

原作を知っているとそんなに“わかりやすく”して大丈夫かと心配になるようなシーンも実はあるのだが、恐らく初見では物語の構造上簡単にはすべての答えは繋がらないだろう。

原作の強みを最大限に活かし、敢えてそれをそのままに再現しているところにも、この館シリーズの実写化の原作への強い信頼を感じる。

前作の江南とのコンビに比べ、やや福西と島田のコンビでは島田のアクに福西が押されっぱなしにも見えるが、これは演者である鈴木福のせいではなく演出と脚本で狙ってやったことだろう。

今シリーズにとって島田のワトソンは江南であり、江南のホームズは島田である。実は原作での既刊シリーズ9館(誤字にあらず)でこのコンビの組み合わせで事件が解決することはそこまで多くはないのだが、ドラマ版においてはやはり青木崇高の鹿谷と奥智哉の江南の組み合わせは最高のバディである、そこに残念ながら福西が入り込む隙はなさそうだ。

ちなみに、原作ではもう少し福西はグイグイと島田に迫っていき、ミステリ好きという設定もあるので前作の江南くらいには好奇心が強い。今作では鹿谷の名前や『迷路館の殺人』についても反応が薄いので、その設定をオミットすることで“巻き込まれ型の相方”として演出したのだろう。その分、島田の無遠慮さが際立つ作りになり、時計館の情報について述べた際の伊波の「そこまで知ってるのか」という驚きとも勘ぐりとも取れる表情もうまくハマっている。

キャラクター描写のリアリティと二人の探偵役

そんな中、旧館でもミステリー研究会の中からホームズ役が登場する。メンバーの中心にいる瓜生と河原崎による推理で、第1話ラストの光明寺の失踪は自作自演のお芝居だろうという結論になるのだ。

この、瓜生と河原崎に関してはまだこの時点では仲間の誰も喪っておらず、前回の交霊会の段階から彼らが参加した“企画そのもの”を疑っている雰囲気が出ているのでやたらと余裕である。まさに前作のエラリィが2人いるようなもので、推理小説(ミステリー)だろうが超常現象(ミステリー)だろうが、そうしたサークルに参加している大学生らしい青さが感じられる演技と演出が良い。

瓜生と河原崎は小学生からの付き合いであり、息ぴったりに持論を展開し、後輩たちもそれに伴い不安気な顔が段々と晴れていくところには、まさに彼らの日常が透けて見える。

原作の設定では瓜生や河原崎は元々超常現象にはさほど興味がなく、推理小説の方のミステリーと間違えて入部したといういきさつがある。そうした説明はドラマ内では省かれているが、光明寺の交霊会に興奮したり、霊に過剰なまでに怯える新見や渡辺と違って冷静な2人の背景には、ミステリー研究会にいながらそれを盲信しているわけではないという人物設計がしっかりと感じられるようになっている。

原作からそうした説明的な面を極力省きつつ、人物描写でそれを語る演出は相変わらずキレが良い。

また、この時点では瓜生は小早川と光明寺の共犯による企画内のイベントだと思っているようで、彼らの推理を聞いても浮かない顔のままの小早川に対し、瓜生だけが顔を曇らせているシーンもある。こうしたチャラチャラと後輩たちに絡む楽観的な河原崎と、幾分冷静に状況を把握しようとする瓜生の差もまた、この後の物語で活きてくる部分でもあるのでよく覚えておいてもらいたい。

カメラマンの内海は相変わらず光明寺捜索中に後ろから現れた河原崎を怒鳴りつけたりと大人気ないが、こういうタイプの大人も割と80〜90年代には多かった。なんとなく偉そうで小心者なキャラクターだからこそ、持ち込み禁止の酒を持ち込んでしまったりもするのだろう。

原作既読者勢による次回へのヒントと期待

前作でもそうだったが、原作にある物語の本筋にあまり関係ない雑学的な記述は極力省かれており、全体の会話がテンポよく進んでくれるのはドラマとして観やすい点だ。逆に、そういった省かれてしまった面白い内容も沢山あるので、ドラマが気に入った人は是非原作も読んでみてほしい。

(時計の文字盤の4が「IIII」と表記される理由、など普段なかなか気にしないような内容が書かれていて興味深いものだ)

今回でいよいよ殺人事件が始まったが、まだ旧館と新館側は別々の動きをしていて、事件が一つにまとまらない。

しかし、この第2話で登場したいくつかの伏線をよく覚えておくと、推理のヒントになり得る。ちょっとした仕草や短いカットに伏線は仕込まれているので、画面を隈なく観ることが大切である。

今回重要なのは

【野之宮泰斉が観た死神】

【光明寺美琴はなぜ自分1人アクセサリー等不純物を持ち込んでいたのか】

である。答えではないが、答えを読み解くにあたり必要なヒントになる。

あともう一つ重要なヒントがこの第2話にはあるが、それはもう答えそのものなので、第二部が終わった後にでもまた戻ってきて欲しい。

いよいよ被害者が出て、ここから先の物語はホラー感、血生臭さがどんどん増していく。あなたの推しは、生きて館を出られるだろうか……。

次回へ続く。

Huluドラマ『時計館の殺人』(2026)第3話完全ネタバレ考察レビュー

容疑者リスト

江南孝明:奥智哉

瓜生民佐男:岡部ひろき

樫早紀子:吉田伶香

河原崎潤一:渡辺優哉

新見こずえ:阿部凜

渡辺涼介:藤本洸大

小早川茂郎:山中崇

内海篤志:今野浩喜

光明寺美琴:向里祐香

古峨由季弥:志水透哉

伊波紗代子:神野三鈴

田所嘉明:矢島健一

野之宮泰斉:六平直政

島田潔(鹿谷門実):青木崇高

福西涼太:鈴木福

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